--/--/-- (--) スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2015/03/11 (Wed) パリに届くラブレター
ギャラリー

金沢にて

ちいさなギャラリーへ赴く

叔父のフィアンセだった人に逢いに。








先月、母から
Y叔父さんの婚約者だった人を覚えている?と訊かれた。

その女性、Mさんの事はうっすらと名前だけが記憶に残っていた。
私と妹が小学生にもなっていなかった頃。
叔父は自分のデートに私たちを連れて歩いた。
海に連れてってもらった。
そんなおぼろげな記憶。

叔父は4年前に胃がんで亡くなった。
その事をMさんは知らなかったらしい。
金沢は狭い街なので、どこかから伝わってきそうなものなのだけど。

叔父の死を知ったMさんは、母に長い長い手紙を送って来た。

母も驚いたようだけれど、
今は関東に引っ越したという事、
娘の仕事を手伝っているという事を簡単に返信したらしい。

叔父と付き合っていた頃、海外留学をして絵を描いていた彼女は、
今でも絵を描き続けている。
そして再びの手紙と共に、個展の案内を母は受け取った。

その日程が私の金沢行きと重なっていたので、
上記の質問になった。

Mさんは手紙でも私達姉妹の安否を尋ねていたそうで。

「あなたのこと覚えてくれてるみたいだから、ちょっとこのギャラリーまで行って来て」

それが母からの指令だった(笑)
私はその指令を実行するべく、ギャラリーへと向かった。

クローズ間近のギャラリーには2人の女性。
どう考えても年配の女性がMさん(笑)

「Yの姪です」と話しかける。

「? どなたですか?」

「Yの、姪です。Mさんですか?」

「・・・・・・・・・!」

その場で静かに涙を流すMさん。

「・・・ここでYさんの話が出来るなんて思わなかった」



-----

私は小さかったので、叔父とMさんがどんないきさつで
結ばれなかったのか、知る由もなかったのだけれど。
堰を切ったように、けれど静かに語り出すMさん。

その悲恋を、私が聞いて良かったのだろうか。
いや、ここを訪ねた私こそが聞くべき者なのだろう。

ドラマのような、年月を経て語られる2人の時間。
時と距離を越えて、私の心に深く響いた。


-----



ギャラリーからの帰り道。
雪のちらつく夕暮れの街、傘をさしながら歩いた。

「Yさんのね、ラブレター素敵なのよ、
あんなラブレターもらったらそりゃもう・・・。
今でも大事に持ってるの、私」
そう言って少女のように笑うMさん。

「いいなぁ、うらやましいです、宝物ですね」
と、笑う私。
私も大切にずっと持っていよう。ずっと。・・・こっそり(笑)


「私ね、Yさんともう一度海に行きたかったの。
連れてってもらおうと思っていたの。
で、夫にも言ってみたのよ『海に連れてって』って。
そしたらなんて言ったと思う?
『何しに行くの?』・・・(笑)
そういう人なの。で、それでいいの私たちは。」
あぁ、私と夫みたいだ。

Mさんの独白は続く。
「私ね、しわっしわのお婆ちゃんになって、
Yさんもしわっしわのお爺ちゃんになって、
それでもまたいつか逢える、
もう一度、逢いたい。
って思っていたの。ずっと。
もうこの歳だから色恋ではなくってね」


「でも、Yさんは逝ってしまった。
猫ちゃん、やっぱり人は思った時にやりたい事をしなきゃ。
いつか、と思っていたら、そのいつかは来ないかもしれないもの。」

Mさんはまた少女のように澄んだ瞳で笑う。


えぇ、私はやりたい事をしています。
逢いたい人に逢っています。
いつか、ではなく。


-----



Mさんと私はどこか似ている気がした。







関連記事

comment

自分の身に置き換えて、
貴女のお話を聞いていましたよ

後悔なき様、生きていきたい

だから、あの時の
私の唐突な行動は良かったのかな、って
自分に言い聞かせてるよ。
2015/03/18 00:15 | URL | 雅子 [ 編集 ]

>雅子さん

ありがとうございます。
そんな風に読んで頂けて嬉しいです。

えぇ、以前伺った雅子さんのお話しを、
思いだしていました。

今、会いたい人に会えていますか?
2015/03/19 20:11 | URL | 猫 [ 編集 ]









ブログ管理人にのみ表示を許可する


trackback

trackback_url
http://bluekitten.blog2.fc2.com/tb.php/2049-e05e15d6

photo

prof

猫

recent entries

recent comments

categories

archives



mail

名前:
メール:
件名:
本文:



friends

この人とブロともになる



fav

search




rss feed

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。