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2006/03/30 (Thu) 真夜中の黒い海
冬の海、それでも私は車を降りる。
ちょっと文句を言いながらも、男はついてくる。
真っ暗闇の中、遠くに船の明かりだけが小さく灯る。
波の音をかき消す潮風の轟音、
それでも砂浜に立ち背筋をのばす。

横にならぶ男。
黙って海を見ている。

寒い、けれど闇の中の見えない海を、
見続ける2人。
よりそうでもなく、
視線を交わす事もなく。

「・・・2人で仁王立ち?」
と笑うと、
こちらを向かずに海を見たまま男が答える。
「おまえ、海に喧嘩うってただろ?」
「あはは、わかった?」
「で、俺にもな」

くっ

言葉に詰まり、男を見る。
前を、真っ黒な海を見つめたままの男の横顔は
ただ寒そうなだけで。

このあいまいな関係に嫌気がさして、
ケリをつけようと意気込んで、
言ってやろうと思っていたことが沢山あったのに。

「あー寒いっ!」急に叫んで
有無を言わさず私の手をとり戻っていく男
さらに、ぐいと引き寄せられた耳元で

「無理だって」

カッと頭に血が上る
とっさに振りほどいた手は空を切る
男の背中が笑っている

とてつもなく悔しくて
でも少し安堵して
「んーーーっんっ!」と頭を振って
真っ黒な海に背を向けて
また私も歩き出す

男の手を、つかむ為に。
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